歩行から診た外反母趾や膝関節など下肢の障害 2
歩き方から解る下肢の障害2 歩き方の改善が必要2
タコ・魚の目
1.タコは典型的な「歩行能力の低下」が原因。第2,3中足骨(足裏中央)に出来るタコは、足趾を使って蹴り出す動作が出来ないために、タコが出来る部分を路面にたたきつける動作の繰り返しで起こります。母趾の付け根や小趾の付け根にできるタコは蹴り出し時の体重移動が、母趾側または小趾側に過度に圧が掛かり続けるのが原因。前者は足趾を使うことが出来ず、路面の蹴り出しが 出来ないため、中足骨部をたたきつけるように歩行している結果で起こります。後者は「歩行のバランスが崩れ」たため母趾でバランス良く蹴り出しが出来なくなり、母趾あるいは小趾に過度に圧が掛かりすぎる「歩き方」によって起こります。両者ともに「歩き方が悪い」のが原因なので繰り返し同じところに出来て、何度削っても繰り返し起こります。
2.魚の目も「歩くバランス」が悪いのが原因で起こります。「歩くバランス」が悪いと「足の動きも悪い」ので、靴の中で足が「バランスの悪い動き(足が暴れる)」をするので、趾と趾が擦れ合ったり、靴と趾が擦れ合うために起こります。その証拠にバランス良く歩いている方には「タコや魚の目」が発生することはまずありません。これも「歩き方の良し悪し」が原因となっています。
扁平足
先天的な骨格の問題であり、内側アーチが低い骨格構造。障害ではないので治療して直るというものではありません。内側アーチは適度に有ることで、上の脚も真っ直ぐに伸びるようになっていて、少ないと、上の脚が内側に傾く原因となるので歩行(歩き方)にも影響が出ます。内側アーチが低いので足が内側に回転(過回内)しやすく、母趾に過度に圧が掛かりやすくなるので、蹴り出しは強くなる傾向がありますが、過回内が強すぎると母趾の横方向に圧がかかるので、趾先での蹴り出しが出来なくなり、かえって蹴り出しが弱くなります。母趾の付け根や内側にタコなどもできやすくなりますし、外反母趾の原因ともなります。
ハイアーチ足(凹足)
これも先天的な骨格構造の問題であり、障害ではありません。内側アーチが高いために扁平足とは反対に、上の脚が外側に傾きやすくなります。歩行時に母趾に充分圧が掛かりにくく、小趾側に移動するので蹴り出しが弱くなります。また、歩行時に外側に体重が掛かりやすく足部が不安定になるので、捻挫などの障害が起こりやすい。
ハイアーチの方は腱や靭帯が硬い傾向があり、足関節が固く、足部の柔軟性に欠けるので、骨頭部(母趾、小趾)に圧が掛かりやすくタコができやすい。(靴を履いていない屋内でもタコができやすい)